歩車分離式信号に潜む危険性

三苫選手が起こした交通事故の原因となった歩車分離式信号に潜む危険性について、自戒をこめて記事にしました。

ニュース番組やネット記事での「赤信号で交差点に進入した」というヘッドラインの表現に、「何故そんなことを」と思われる方もいらしたかと思います。わたしもそうでした。

ただ詳細な報道には、原因が歩車分離式信号による勘違いだったことの説明があったため、なるほど、自分も気を付けなければと思った次第です。

歩車分離式信号を調べる中で、自分自身時差式信号とはっきり区別できていなかったことに気づきました。次の表は、Geminiにまとめてもらったものです。

信号機種別 仕組み 潜在的な危険性
歩車分離式信号
  • 車が動く時間と、歩行者が渡る時間を完全に切り離すシステム
  • 歩行者が横断中、すべての車線(右左折含む)の車両用信号は「赤」になる
  • 「つられ発進」の誘発
    • 隣の歩行者用信号が「青」になった光を視界の端で捉え、車両用が「赤」のままなのに無意識に発進してしまう。
時差式信号
  • 右折車をスムーズに流し、渋滞を緩和するシステム
  • 対向する車線どうしの青信号の時間(タイミング)をずらす
  • 「対向車も赤」という思い込み
    • 自車側が「青」だからといって、対向車線もすでに「赤」になっていると誤認し、強引に右折して直進車と衝突する。 

JAFの説明は図入りでわかりやすいですね。

「歩行者信号の青を勘違いした」という三苫選手の供述は、まさに歩車分離式信号に潜む危険性です。これとは合わせて心しなければならないのは、時差式信号では「対抗する歩行者用信号が赤だから、自分の車両用信号は青に切り替わったはずと思い込む」危険性があるということです。

また、今般の事故の場合、相手方の自転車も歩行者用の青信号を見て、「車道を」「自転車から下車せず乗ったまま」交差点に進入していますので、車と自転車の双方とも赤信号で進入したようです。

わたしがよく利用する道路にもこの歩車分離式信号がありまして、歩行者用信号は押しボタン式、車両用信号機の片側は矢印式信号という、青信号に切替わるタイミングが不規則な信号機で、イライラしがちな信号なのですが、必ず自分の進行方向の信号の切り替わりに集中するよう気を付けています。

ただ、地元であり、以前から車でも徒歩でも通行しており、一般的な信号とは違うことをわかっていたからこそ、注意することができるのであって、まったく初めての土地で同じ注意が払えるのかどうか、正直自信はありません。

三苫選手には悪いのですが、ここは警察庁は好機とみて国民に「歩車分離信号」の周知活動や注意喚起をすべきではないでしょうか。高齢ドライバー対策も重要ですが、今回のように若いドライバーも陥る「歩車分離信号」(合わせて「時差式信号」)の危険性を広めてもらいたいところです。

だいたい、「歩車分離信号」という言葉も解かり辛いですし、信号機に付ける標識も赤地に白文字くらい目立つようにして欲しいと思いますが、道路標識令上、標識の色の指定は厳格に規定されており、補助標識は白地でなくてはならないそうです。その上で信号機の名称表示と区別できるような表示の仕方はできないものでしょうか。

警察庁は2025/01/31付の警視庁交通部長、各道府県警察本部長への通達にて「歩行者等の安全を確保するため、歩車分離式信号の一層の整備推進に努められたい。」としていますので、全国で歩者分離式信号が増えるのではないでしょうか。歩行者にとってはよろこばしいことですし、ドライバーにとっても右左折時の歩行者接触のリスクが無くなりますね。